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緑竹(りょくちく) / レモン
==カボスの巻==
「カボスに含まれるクエン酸で残暑の疲れを吹き飛ばそう!」
色々な料理に少し付け合わせることで、その素材の持ち味を引き出すとともに栄養面でも影の力を発揮します。
そんなカボスの栄養価を見てみましょう。
≪カボスの栄養価≫
ビタミンC | カボス果汁100cc中42mg含まれ、レモン果汁100cc中45mgに次いで多く含まれています。 ビタミンCは皮膚や筋肉、血管、骨の強化に欠かせないコラーゲンの合成に深く関わっているビタミンです。 抗酸化物質でもあるため過酸化脂質(時間の経った揚げ物やポテトチップなどに多く含まれます)の生成を抑制し動脈硬化や心筋梗塞脳卒中を予防します。また鉄分の多いレバーやお魚、貝類と一緒に摂ると鉄分の吸収を高めてくれます。 夏場バーベキューや焼き肉を食べる機会が多いと思います。不足しがちな鉄分を補うためにも、レモンの代わりにカボスを添えてみるのもいかもしれません。 また体の水分が不足する時期でもあります。果汁を搾った後の搾りかすを水に入れ、冷蔵庫で冷やしておいたものを飲んでみてはいかがでしょうか?ホッとしますよ。 |
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クエン酸 | 柑橘類の中で、カボスのクエン酸の含有量は最も多いと言われています。 クエン酸は筋肉や神経の疲労回復に役立ちます。また体内での吸収率の低いカルシウムやミネラル類も、クエン酸と一緒に摂ることで腸管からの吸収率がアップします。 クエン酸は摂取した食べ物をエネルギーに変えるとき無くてはならない成分です。不足すると摂取したものがうまくエネルギーにならず体脂肪が蓄積されたり、疲労の原因物質の乳酸がたまったりします。 |
リモネン | 柑橘類に含まれる香りの成分ですが、リラック効果をもたらし疲れた体を癒してれくれます。 食欲増進の効果もあります。カボスのさのう(中の薄皮で包まれた房の中身)中に含まれるリモネンの量は、柑橘類の中でも群を抜いて多いです。 暑くてイライラしたらカボスの香りで気分転換を! |
ビタミンB群もB12を除いてカボスにはふくまれています。ビタミンB12や他のB類を含むレバーのから揚げにカボスを添えたり、水分補給も兼ねてみそ汁に果汁を搾りいれていただくと、クエン酸の働きと相まって、カボスのもつ栄養価の効果がより発揮されます。
**鶏レバーの竜田揚げ**【材料】(1人分)
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【作り方】
①レバーは、白い部分を取り除き一口大に切る。心臓(ハツ)部分がついていたら、縦1/2に切り、中の血をきれいに取り除く。
②たっぷりのお湯に少し塩を入れ沸騰させる。
③②に①を入れ茹で、ざるに上げ、熱いまま生姜醤油に漬け込む。(ここまでは前日の下処理として、冷蔵庫で寝かせておいてもいい。)
④レバーが冷めたらキッチンペーパーの上に並べ、水気を軽く取る。
⑤④にまんべんなく片栗粉をまぶし、180℃の油でサッと揚げる。(レバーは、油はねすることがあるので気を付けてください。)
⑥お皿に盛り、カボスを付け合わせる。
(管理栄養士 岩尾美智代、保健師 平山佑三子)
==ごまの巻==
「小粒ながらその栄養価はピカイチ!」
最近は、「ごまの栄養ブーム」で様々な食品の中にごまが取り入れられていますね。特にごまに含まれる「セサミン」は
よく耳にします。ここでごまの栄養価を見てみましょう。
≪ごまの栄養価≫
エネルギー | エネルギーは100g578kcalと高めですが、料理で一度に沢山の量を取ることはないので、ごまのカロリーはそんなに気にしなくてもいいと思います。小さ1杯3g、17kcal程度です。 |
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脂質とタンパク質 | 脂質は約50%、タンパク質は20%も含まれています。脂質はリノール酸とオレイン酸を含みます。前者は、血中のコレステロールや血圧を下げ動脈硬化などの生活習慣病を予防し、後者は悪玉コレステロール(LDL)を減らし善玉コレステロール(HDL)を増やしてくれます。 含んでいるタンパク質の量は肉や魚と同じくらいで、しかも質も良質で優れたタンパク質です。 |
ゴマリグナン | ゴマリグナンは血液中での抗酸化作用より、肝臓での抗酸化作用があると考えられています(飲みすぎや脂肪肝などの生活習慣病に良い。)ごま油にはセサミノール、ごまにはセサミンやセサモリン、すりごまにはセサモノールとして含まれまれます。特にセサミノールは強い抗酸化作用があると言われています。美容や老化予防にいいということで、アンチエイジングに結び付けられ、ごまが注目される理由となった成分の1つです。 |
カルシウム | 非常に多くのカルシウムを含みます。 ごま大さじ1強(約10g)で牛乳100cc分のカルシウムを軽く超えるほどです。その上、ごまに含まれているカルシウムとリンの割合が1:2と程よ く骨の発育や骨粗鬆症の予防に適しています。 |
その他のミネラル | 鉄分、マンガン、亜鉛などを多く含みます。貧血予防や、最近、加工品を多く取ることで増えている亜鉛が不足することによる味覚異常などに効果があります。 |
ビタミン類 | ビタミンB1、ビタミンEを多く含みます。前者はブドウ糖の代謝を助け体に必要なエネルギーを作ります。後者は女性のホルモンバランスを整えると共に抗酸化作用もあります。 |
食物繊維 | 皮の部分に12~13%含まれており、便通を良くする効果があります。 |
こんなごまにも足りないものがあります。それはカロチンとビタミンCです。しかし、カロチンやビタミンCを多く含む
色の濃い野菜(ほうれん草やブロッコリーなど)を、ごま和えとしていただくと効果が上がります。
どうでしょう?ごまのピカイチな栄養価を知って、ごま豆腐がなぜ奥深い料理かということわかっていただけましたか?
よくすりあげることで、ごまの栄養を余すことなく吸収でき、一度に沢山タンパク質として摂るために工夫を凝らし、
しかもおいしく食べることのできるレシピ。先人は、ごまのこのような栄養について知っていたのでしょうか?
今日は、御住職にお持ちしたごま豆腐のレシピを紹介します。簡単でしかもおいしいのでぜひ作ってみてください。
**ごま豆腐**【材料】(卵豆腐用流し缶1個分)
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【作り方】
※ 出汁は、カツオと昆布で多めに作り冷ましておく。
① 鍋にくず粉と出汁の一部を加え、くず粉の粒を溶かしておく。
② ①にすりごまを加えてよく混ぜる。
③ 残りの出汁とAを加えよく混ぜ火にかける。
④ 強火で絶えず鍋底から混ぜ沸騰したら弱火でよく練る。焦がさないように練れば練るほどおいしくなる。
⑤ 水にぬらした型に入れ冷やす。
*市販の万能味噌やワサビ醤油でそのまま食べても、椀物に入れてもおいしい。
(管理栄養士 岩尾美智代、保健師 平山佑三子)
==お米の巻==
「主食の中でも良質のたんぱく質を含むお米!食べ合わせでより吸収力UP!を」
どの国もお米と食文化は、切り離せません。世界中の品種をあげると1,000以上はあると言われています。日本で栽培されている米の品種だけでも300種以上はあるそうです。
このように、種類の多さでも楽しめますが、「玄米」、「胚芽米」、「5分づき」、「7分づき」など精米の仕方でも味や栄養価の違いを楽しむことができます。今回は、この「玄米」、「5分づき」、「白米」の栄養価の違いについて見てみましょう。
≪お米の栄養価≫
エネルギー | お米100g中、玄米の場合350kcal、5分づき米353kcal 白米356kcalになります。「すごくカロリーが高いのでは?」と思いますが、100gのお米をご飯にすると約220g。これをカロリーにすると約370kcal~380kcalになります。 1日の摂取カロリー1600kcalの方で見てみると、その必要量は、1食につきご飯150g~180g(女性のご飯茶わんに1杯くらい)となります。 これはバターロールパン(小)2個 食パン6枚切り1枚とだいたい同じくらいのカロリーです。同じカロリー数からみると、1回に食べる量の満腹度や次の食事までのお腹の持ちは、やはりご飯に勝るものはないですね。 |
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たんぱく質 | たんぱく質の含有量は100g中、白米6.1g、5分づき米6.5g、玄米6.8gの順に多くなっていきます。しかし、そのたんぱく質の体内での利用効率を表したアミノ酸スコアで見てみるとお米100gで61%となっています。 これは、お米を単独で食べた場合、お米に含まれるたんぱく質の61%しか体内で利用されないと言うことです。しかし、肉や魚などアミノ酸スコアが高いもの(100%以上あるもの)と組み合わせ食することによりお米のたんぱく質の利用率は100%以上、また肉や魚のたんぱく質もそれ以上の良質のたんぱく質となり、無駄なく、効率よく体内で利用されると言うわけです。 なるほど、ご飯に魚や肉を添えて食べるのは、理に適っているわけですね。 |
炭水化物 | 炭水化物は糖質(でんぷん)と食物繊維に分けられ、精米の度合いに係らず、お米100g中75g前後含まれています。しかし、その中の食物繊維量はお米100g中、玄米3g、五分づき米1.4g、白米0.5gと言ったように精米されるほど減っていきます。 炭水化物は、体内でブドウ糖に変化し、脳や筋肉のエネルギーとなり働きます。中でもお米の炭水化物はブドウ糖としていち早く体内で使用され、その上ゆっくり吸収されるので体内で余って中性脂肪になることは少ないようです(必要量以上に食べると別ですが。) 特に血糖やコレステロールが気になる方はその予防のために、ダイエットをしたい方は甘いお菓子で炭水化物を取るよりは、玄米や5分づき米など食物繊維を多く含む主食にしてみてはいかがでしょうか?便秘の解消にも役立ちます。 ただ、胃腸の弱い人は下痢をすることがありますので、白米以上に良く噛んで食べることが必要です。 |
ビタミンB1 | 玄米には多く含まれています(白米の約4.5倍)が、精米が進むほど少なくなります。お米の糠や胚芽の部分にビタミンやミネラルなどの栄養が含まれているからです。 ビタミンB1は糖質を燃やしエネルギーに変える働きがあります。 玄米、5分づき米にはこのビタミンB1が含まれていますが、白米を食べるときは意識してビタミンB1を他の食品から取りたいですね。 |
ビタミンE | ビタミンEは、主に胚芽に含まれています。(お米を見てみると少し欠けた部分がありますね。そこが胚芽が付いていたところです。)玄米、5分づき米には含まれていますが、白米にはほとんど含まれていません。 ビタミンEは細胞の酸化を防止し、老化を防いでくれます。 |
その他 | 玄米には鉄分やリンも多く含まれています。しかし、食物繊維が多いので鉄の吸収を妨げてしまうこともあります。またリンも非常に多く含まれています。玄米を食べるときはカルシウム、鉄分の多いものをおかずにし、食するといいでしょう。 例えば、イワシ、レバー、小松菜のみそ汁など。 ※最近では 玄米を購入し精米機で自分流に引き食する人が多くなりました。お米をおいしく食べようと思ったら玄米で保存し(精米すると酸化が早い)、この方法で食べるのが一番かも知れません。 |
**サラダずし**【材料】(2人分)
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※ツナの代わりにハム、ちりめんじゃこ、マグロの刺身、エビ、カニカマでも代用可能。アボガドを入れてもおいしいです!
【作り方】
① お米は米の量の1.3倍の水で炊く(炊飯器の場合、すしの水量に合わせる)
② Aの調味料を鍋に入れ弱火で溶かし、ひと肌に温める(煮立てない。)
③ チーズ、キューリ、にんじんは5mm角のサイコロ切りにする。(切った後、にんじんはサッと固茹でにし、冷ましておく。)
④ 卵はフライパンに油を薄くしき、炒り卵にする。
⑤ レタスは適当な大きさにちぎっておく。ツナ缶は油分を切っておく。
⑥ 炊きあがり少し冷ましたご飯に、ひと肌に温めた②をうちわであおぎながら加え切るように混ぜる(ご飯に粘り気が出ないように気を付ける。)
⑦ ⑥が冷めたら、具を混ぜ込む。
⑧ 皿に盛りプチトマト、大葉、のり、ゴマなどで飾る。※レタスで手巻きにしても食べやすいですよ♪
(管理栄養士 岩尾美智代、保健師 平山佑三子)
==さつま芋の巻==
昔から美容食として取り上げられているさつま芋。最近ではいろいろな種類をみかけます。
甘味が強くトロッとした身の柔らかさが特徴の「安納芋」。これは焼き芋が一番。良く見かける「紅あずま」。
これはキメが細かくホックリとした食感と程良い甘味が特徴です。天ぷらやコロッケなど幅広く料理に使えます。
ポリフェノールを含む紫色を特徴とする「紫芋」。これは少し甘味を足してお菓子に良く使われていますね。
最近では「食べ合わせダイエット」が話題になりましたが、食材は組み合わせ次第で単品で食べるより、更に健康・美容
に効果を発揮してくれます。
この「さつま芋」を立派な美容食にするには、朝食に取り入れるとすると、例えば、次のような食べ合わせ。
①パンの代わりに、焼き芋、またはふかし芋
②目玉焼き
③ミニトマトと水菜にバルサミコ酢をかけて、
④チーズor ヨーグルト or 牛乳
⑤コーヒー or 紅茶(砂糖抜き)
ちょっと手間をかける時間があるときは・・・、
さつま芋とブロッコリー、かぼちゃなどの緑黄色野菜やキャベツ、ハムと一緒にチーズ焼きがお勧め!これ一品で、
一気にバランスのとれた朝食に!!!
「さつまいも」に不足している栄養を補い、余分な油脂分、塩分はさつまいもの線維が排出してくれます。「さつまいもダイエット」
もあるらしいですが、ごはん類と同じ「炭水化物」なので「さつまいも」だけを多く取るのは、貯蓄を増や すことになるので気をつけて!!
サプリメントやドリンク剤でも良く聞くようになった様々な栄養素。どのような役割があるかご存じですか?
手軽に効率的に摂取できる方法は色々とありますが、全て取りすぎると逆効果ですよ。
栄養は旬の食材を使った食事で美味しく摂れるのが一番です。さて、「さつま芋」の栄養素には何があるのでしょうか。
主に含まれている栄養素とその役割についてご紹介します。
食物繊維 | さつま芋に多く含まれる食物繊維は、水に溶けにくく便秘解消に最適です。またコレステロールや体内の有害物質を体外に排出したり、血糖をコントロールしたりしてくれます。 |
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ビタミンC | コラーゲンの生成、抗酸化作用、鉄の吸収を助けるなどの働きがあります。しかし「調理過程でビタミンCは熱に弱く、水溶性でもあるため水にとけて失われる。」という弱点もあります。でも、さつま芋などイモ類のビタミンCは、加熱しても壊れにくいという利点があります。また皮のまま調理することで水に流れることなく、皮目に多く含まれるビタミンなどをそのまま食することができ安定したビタミンの供給が得られます。 |
ビタミンE | 強い抗酸化作用を持ち、老化防止や動脈硬化の予防効果があり、その上血行も良くなるので寒い冬場の冷えやしもやけの予防になります。しかし、ビタミンEは脂溶性(他の脂溶性ビタミンより毒性は少ないが)のため、過剰にとると体内に蓄積されるので取りすぎはよくありません。サプリメントなどで多量に取ることは控え、食物から取りたい栄養素ですね。 |
その他にもいくつかのビタミン類、カルシウムなどのミネラルも多く含まれています。その反面、足りない栄養素もあります。
これらを補うにはどんな食べ方をすればいいのでしょうか??・・・・・
さつま芋の主な栄養成分について触れてましたが、「美容や健康にいい食品」であることがわかっていただけたでしょうか?
「でもさつま芋って、太るんじゃない?」と思われる方もいるのでは?
確かに「食べすぎ」はよくありません。さつま芋の甘さは、でんぷんが酵素のアミラーゼによって麦芽糖になった糖分です。
焼き芋や蒸し芋のように、この甘味はじっくりゆっくり火を通すことでより増していきます。そのためおいしいからと言って、
1日に2本も3本も食べてしまうとやはりカロリーオーバーになってしまいますね。
さつま芋生100g(卵のMサイズが大体50g前後)で130Kcal程度(ごはん茶碗1杯弱くらいのカロリー)。メロンパンなどの菓子パンが大体400~500Kcal、アイスクリームで200Kcal前後ですので、ヘルシーな間食や朝食として取り入れるのがベストです!
食べ過ぎを防止でき、良さを引き出す調理法として、輪切りにしたさつま芋と大きく切った他野菜(キャベツ、ブロッコリー、キノコなど)、
少量の豚肉や鶏肉と一緒に蒸し器で蒸し、ポン酢を添えるなどして、おかずとして召し上がることをおすすめします。 加えてブロッコリーや人参などを一緒に取ると
さつま芋に不足しがちな栄養素も補ってくれます。
また、ビタミンCの働きのひとつに「鉄の吸収をよくする働き」があります。鉄は貧血予防に効果のある栄養素ですが、
なかなか体内で吸収してくれません。その吸収を促す役割をもつさつま芋に含まれる「ビタミンC」とヒジキに多く含まれる
「鉄分」の「食べ合わせ料理」を一品紹介しますね。
**さつま芋の変わりきんぴら**【材料】(4人分)
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【作り方】
①ヒジキは堅めにもどす
②さつま芋は、よく洗い皮つきのままやや太めの千切りにし、さっと水にさらしあくをぬく。
③熱したフライパンにごま油を入れ、ざるに上げ水切りした①と②を入れ炒める。好みの柔らかさになったら、
醤油で軽く味付けしゴマをまぶしできあがり。
注)さつま芋もヒジキも少し歯ごたえがあるほうがおいしいです。
前日から作り置きすることができるので 朝ごはんやお弁当の一品にいかがですか?
さつま芋が美味しい今の時期、ぜひ料理やおやつに取り入れてみてくださいね。
(管理栄養士 岩尾美智代、保健師 平山佑三子)
==しいたけの巻==
≪料理に欠かせない旨み成分≫=「グアニル酸」「レチオニン」=
シイタケは、乾燥により独自の味と香りを増します。その味は「旨味」であり「グアニル酸」という成分によるもので
日本料理の「出汁」や中華料理の「スープ」には欠かせません。「旨味」に関しては単品で使用するより、カツオ節や昆布と
合わせると相乗効果が高まり、よりおいしくいただけます。
また、シイタケの香りは「風味」であり、これは「レンチオニン」という成分です。松茸の香りなどと同様、料理を五感で楽しむための
アイテムとして用いるのにいい食品です。
≪動脈硬化や高血圧、風邪の予防にシイタケ!≫
シイタケに含まれる「エリタニデン」はコレステロールを下げる働きがあり、「フィトステリン」はコレステロールの血管への
沈着を抑える効果があります。「レンチナン」は、免疫機能を強化する働きや抗腫瘍作用があると言われ、がんなどに対する
副作用のない医薬品としての実用化が期待されています。
また胞子には強力な抗ウイルス物質が含まれており、インフルエンザウイルスの増殖を抑える働きがあると言われています。
こんなことを知ると 生活習慣病やインフルエンザが騒がれている今こそ、「薬だ!」と思って沢山食べたいと思いませんか?
≪シイタケに含まれるその他の栄養素 ≫
エルゴステロール | シイタケはビタミンDのもとになるエルゴステロールという物質を多く含んでいます。ビタミンDは、カルシウムの吸収を高め、骨を丈夫にします。 しかし、エルゴステロールは紫外線に当たらないとビタミンDにはなりません。そのため干しシイタケを食する方が、効果があります。 最近の干しシイタケは天日干しでないものもあるので、食べる前にもう一度自宅のベランダなどで天日干しにしてから食べるとより効果が得られます。 また、生のものを食してから日光浴をしても同じような効果が得られます。最初にシイタケを日に干すか、食べた後にご自分で日に当たるかは自由です。 |
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食物繊維 | 多くの食物繊維を含みます。 「今日は、食物繊維を多く取りたいな!」と思うときは、一度に沢山料理に用い食することができる生のシイタケをお勧めします。 胃に優しいので胃腸に負担をかけません。 |
ビタミンB群 | 糖質を分解する酵素のビタミンB1、肌に良く、脂肪を分解する酵素のビタミンB2、 植物性食品にはめずらしい造血作用のあるビタミンB12が含まれています。 |
このように沢山の効果をもたらす成分を含むシイタケですが、土壌で生育しない分ミネラルや他のビタミンはそんなに多く含みません。
やはり単品で食べるよりタンパク質やカルシウムを多く含む食品と組みわせて食べたいですね。例えば、お肉やお魚の料理に加えるだけでも、
美味しくシイタケの良さを引き出すことができます。
生のまま食べると湿疹などができる人もいるようなので必ず火は通して下さいね。
**シイタケとニラの煮浸し**【材料】(1人分)
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【作り方】
① シイタケは細切りにする。
② ニラは5センチのぶつ切りにする。
③ フライパンにごま油を入れシイタケとニラをいためニンニク、酒を入れ炒める。
④ しんなりしたらすぐ醤油を入れ火を止める。
(④に茹でて、ほぐした鶏のささみを混ぜ合わせてもおいしい。)
シイタケのビタミンDがニラに含まれるカルシウムの体内吸収をよくします!
**シイタケ入り肉団子**【材料】(約15個分)
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【作り方】
① ボールにひき肉、Aを入れよく練りながら混ぜ合わせる。
② シイタケは粗みじんにし軽く片栗粉をまぶし①に入れ再び練る。
③ バットによくペーパーなどで汁けを切ったコーンを入れ片栗粉大さじ2強をまぶす。
④ ②の肉を一口大の団子にし③のコーンを周りにまぶし形を整え耐熱皿に並べラップをかける。
⑤ レンジで5分~8分加熱する。
(抑えてみて固くなっていたら出来上がりです。ポン酢や辛子醤油でお召し上がりください。)
沢山作って冷凍しておくと、お弁当に便利です!
(管理栄養士 岩尾美智代、保健師 平山佑三子)
==タケノコの巻==
地中から贈られたタケノコの活力でパワーアップ!
芽が出てから短期間で何メートルもの竹に成長するタケノコパワー。
その生命力の源はタケノコの栄養分にあるようです。
《タケノコの栄養成分≫
食物繊維 | タケノコには食物繊維が多く(水煮タケノコ100g中、3.3g)含まれ、便秘の予防や解消に効果的です。またコレステロールの排泄を促し、低カロリーなので美容食となりダイエットに役立ちます。 |
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チロシン | 低カロリーの野菜ですが、たんぱく質を多く含ます。(水煮タケノコ100g中、30kcal、たんぱく質3.5g)短期間で大きく伸びていくタケノコの成長の源が、この豊富な栄養分なのですね。中でも茹でタケノコの白い粉の部分。これはタケノコに多く含まれるアミノ酸の一種チロシンが結晶化して固まったものです。チロシンは神経の伝達物質ドーパミンなどの原料となり脳を活性化し、やる気を出させてくれるといわれています。またホルモンの生成を高め新陳代謝を促します。白い粉の部分にも大事な栄養素があります。 |
コリン | たんぱく質と結合した神経細胞などの細胞膜を構成するレシチンの成分で、血管壁のコレステロールの沈着、肝臓への脂肪の蓄積を防いでくれます。また記憶力を高める効果もあり脳の老化防止に役立ちます。 |
カリウム | カリウムを多く含むため、体内のナトリウムを体外に排出し、血圧を下げるなど高血圧の予防に役立ちます。 |
その他 | 新鮮なタケノコには、ビタミンCやビタミンB1、B2含まれ、その他にも動物性食品なみの栄養素が含まれています。薬膳では、体を冷やしほてりを取る、利尿作用もあり体の新陳代謝を高めデトックス効果があると言われています。 |
エグ味(あく) | エグ味は、ホモゲンチジン酸とシュウ酸によるものですが、米ぬかを入れて茹でると取れます。最も一般的なタケノコの茹で方では、皮をつけたまま縦に1本の切れ目を入れ米ぬか(または米のとぎ汁)赤唐辛子1~2本加え茹で、さめるまでそのままにします。皮のまま茹でることでタケノコの旨みを逃しません。それでもエグ味が抜けない場合、このエグ味はカルシウムを付着させて結石を作りやすいので料理にする時、カルシウムをたくさん含むワカメや昆布と一緒に煮ます。こうするとエグ味も抜け、普段、沢山食べることができない海藻類も多く取ることができます。 |
これだけ体に必要な(特に神経系)栄養素を含むタケノコですが、毎日沢山食べすぎると吹き出物や胃腸を壊す原因となるので、
食べ過ぎには気を付けてくださいね。
**タケノコご飯**【材料】(2合分) 関西風の味付けです!
*グリンピース、 菜の花、さんしょの葉等、青みを添えます。 |
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【作り方】
① お米を洗い、定量の水から薄口醤油と酒の分量を引いた水につけておく。
② 鶏肉を一口大に切り、濃口醤油をまぶしておく(ほんの少しでよい。)
③ タケノコは1cmくらいの薄切りにする(好みの大きさでよい。)
④ ①に塩、薄口醤油、酒を入れお米をかき混ぜた後、お米の上に②と③を入れ炊く。
⑤ 炊きあがったら枝豆を加え混ぜる。
**タケノコの肉巻き**【材料】(4人分)
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【作り方】
① タケノコ、ピーマン、にんじんを長さ5cmほどの千切りにする。
② 豚肉を2枚重ねて広げ、軽く塩こしょうし、①を均等に置き豚肉でロール状にくるむ。
③ 熱したフライパンに油をしき、②を焼く。
④ ③に焼き目がついたら、蓋をして弱火で少し蒸し焼きにする。最後に強火にして、オイスターソースで味をつける。
⑤ 冷めてから切り、プチトマトを添えて皿に盛る。
(管理栄養士 岩尾美智代、保健師 平山佑三子)
==パパイヤの巻==
疲れた胃をパパイヤの消化酵素で助けてもらっては?
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原産地は熱帯アメリカと言われ、熱帯、亜熱帯の各地で栽培されています。 モッカ(木瓜)チチウリ(乳瓜)などとも呼ばれ、この他にもいくつか別名を持っています。大きさもまちまちで長さ20~40cm 重さ450g~2kgになります。 品種は100種以上あり、日本の店頭に並んでいるのはハワイ産のものが多く、品種はソロ種(果肉が黄色で果汁が豊富)やサンライズ種(果肉がオレンジ色であっさりした味)の小ぶり(500gくらい)のものが出回っています。 日本でも沖縄や鹿児島などで栽培されています。そんなパパイヤですが、どうやら美容と健康に欠かせない成分を含んでいるようです。 |
≪パパイヤの栄養価≫
エネルギー | 甘い果物にしては100g中38kcalとカロリーが低く、おやつとして1/2個(200g)食したとしても、約80kcalと女性には嬉しい食べ物です。青パパイヤ(まだ皮が緑色の未完熟のもの)も同じくらいのカロリーです。 |
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β-カロテン | 緑黄色野菜などに多く含まれる成分で、抗酸化作用(体内の脂質が酸化されるのを抑える働き)があり、体内での活性酸素(体内で悪さをする強力な力を持った酸素)によるダメージ(しみやしわなどの肌の老化、動脈硬化など)を和らげてくれます。 また、体内でビタミンAが不足した時には、ビタミンAに変化し、免疫力を高めたり、目の健康を保ったりします。 |
ビタミンC | 100g中50mgと、果物の中ではビタミンCが多く含まれ、200g食すれば1日のビタミンC摂取量を補えるほどです。ビタミンCは肌を美しく保つコラーゲンの生成に欠かせません。その上、女性に不足しがちな鉄の吸収を助けてくれます。 また、抗ストレスホルモンのアドレナリンの生成を促し、ストレスの解消に役立ちます。 抗酸化作用を持つビタミンの代表格でもあります。ただし、水に溶けやすく、熱に弱いと言う欠点があります。 ビタミンCは、果物として食する完熟したパパイヤ(完熟パパイヤ)から生のまま摂ることをお勧めします。 また青パパイヤの場合、煮物より炒めて食した方が、ビタミンCの損失は少なくなります。 |
パパイン | パパイヤに含まれる消化酵素です。たんぱく質を分解する作用があり、食べたものの消化を促進してくれます。しかし、熟すほどパパインの含有率は減りますので、その効果を得るためには、青パパイヤを食することをお勧めします。 青パパイヤを肉料理の付け合わせにする、固くなった肉を青パパイヤのソースに漬け込んでおいてから料理に用いる、肉野菜炒めなどにするといいでしょう。 |
その他の消化酵素 | パパイヤには、パパインの他に糖分を分解する酵素や脂肪を分解する酵素も含まれています。 |
この他、青パパイヤはバナナより多くのたんぱく質を含みます(完熟マンゴーの約2倍。)
カルシウムも、生で食する果物にしてはドライフルーツに近く、100g当たり36mgと多く含んでいます。
未完熟でも完熟でも食せる果物はそうそうありません。青パパイヤ、完熟パパイヤの味比べをしてみてください!
例えば、お弁当には青パパイヤの肉巻き、食べ過ぎた後の胸やけを防ぐため、食前や食後にパパイヤのデザートはいかがでしょうか?
**青パパイアの豚肉ロール**【材料】(2人分)
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【作り方】 |
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**パパイヤのフルーツボート**【材料】(2人分)
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![]() 小学生の娘が作りました! |
【作り方】
① パパイヤを半分に切り、ボートの底になる部分を固定しやすくするため、皮を少しスライスし平らにする。
② バナナをスライスし①に盛り付け、レモン汁をまんべんなくかける。
③ 好みで生クリームなどを盛り、他のフルーツを飾る。
これを1つテーブルに置くだけで、いつものお料理が豪華に変身します♪
(管理栄養士 岩尾美智代、保健師 平山佑三子)
==ブルーベリーの巻==
ブルーベリーで夏場の紫外線から目と肌を守ろう!
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ブルーベリーは、皮のまま食するので自然と皮目に多く含まれる栄養素や種まで摂ることができます。 特に食物繊維は、そのまま食べることで無駄なく摂ることができます。 ブルーベリーの栄養素を上手に取り入れようと思えば、生で食べるのが一番です。なかなか生で手に入りにくいブルーベリーですが、旬の時期に是非、生で食してみてください。 |
≪ブルーベリーの栄養成分≫
ポリフェノール | 抗酸化作用を持つことで知られています。 ブルーベリーには、青色、赤色の色素をもつアントシアニンが含まれています。ナスなどの皮の色も同じ成分ですが、ブルーベリーの場合、皮だけでなく実にも沢山含まれているので、より多くとることができます。 また、私達が目で光を認識する時に重要な働きをする物質であるロドプシンと言う色素が含まれています。この物質が分解と再合成を繰り返しながら、光の刺激を脳に伝える働きをして、初めて物が見える仕組みになっています。この再合成を活性化させる働きを持つと言われているのが、アントシアニンです。ブルーベリーが目の疲労や機能を向上させると言われているのは、このことからです。 この他、細胞の老化を防ぐことはもとより、肝臓の機能の向上や血圧の上昇も抑制してくれます。 |
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ビタミンA | ビタミンAは、明るいところから暗い所に入った時など、目が次第に環境に慣れて見えていくのを助ける働きがあります。 また皮膚や粘膜を健康に維持してくれます。皮膚と言えば体の外側、粘膜と言えば内側(目の角膜や粘膜、鼻やのど、消化器や呼吸器や子宮など)を想像していただくと分かりやすいと思います。 植物性の食品にはβ-カロテンとして含まれることが多いですが、ブルーベリーは、ビタミンAそのものを多く含んでいます。 ビタミンAは取りすぎが心配されることがありますが、多いと言ってもブルーベリーに含まれるビタミンAは動物性の食品に比べ、ほんのわずかです。(ウナギ100g中1500μgブルーベリー100g中5μgビタミンAを含んでいます。連日1万5000μg以上取ると過剰症となると言われていますが、野菜や果物で取る場合は問題ありません。ただビタミンA単独のサプリメントで取る場合は、過剰症に気をつけましょう。) |
β-カロテン | ビタミンAが体内で少なくなった時、β-カロテンがプロビタミンAに変化しその役割を果たします。体内でプロビタミンAに変化しないβ-カロテンは、ビタミンEの働きと同じように抗酸化作用を発揮し細胞の酸化を防ぐ働きをします。 |
ビタミンE | ビタミンEは、ビタミンAと同じく脂溶性ビタミンの一種でナッツ類や植物油(ヒマワリ、ゴマなど)に多く含まれています。老化を防ぎ動脈硬化を予防し、ホルモンの生成、分泌を促す働きがあります。 |
食物繊維 | ブルーベリーは皮のまま食する果物のため、含まれる食物繊維をすべて体内に取り込むことができます。その上、他の果物に比べ食物繊維を多く含んでおり、100g中4.1gもあります。ちなみにリンゴ100g中に含まれる食物繊維は、1.5gです。 おいしく無理なく沢山取れる食物繊維で、腸内の働きを活発にできます。 |
豊富なビタミン類でと食物繊維を含むブルーベリーですが 少し酸味を強く感じるときがあります。
アイスクリームやヨーグルトとともに、またはマフィンなどのお菓子の材料としても、食べてみてください。
**ブルーベリーカスタードパン**【材料】(4個分)
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【作り方】 |
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**ブルーベリーソース**【材料】
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【作り方】
① カップ(余裕がある大きさ)に、ブルーベリーとグラニュー糖を入れる。
② ふたをせず、レンジで2分温める。
ヨーグルトやマフィンにかけて、お召し上がりください☆!
(管理栄養士 岩尾美智代、保健師 平山佑三子)
==マンゴーの巻==
完熟マンゴーで紫外線に負けない肌を!
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「何で今、マンゴーなの?」と思われませんか?近年の輸入増加の影響もありますが、国産物のおいしい完熟したマンゴーが
手に入るようになったからではないでしょうか? しかし、理由はそれだけではありません。その秘密はマンゴーの栄養価にもあるようです。 |
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≪マンゴーの栄養価≫
ビタミンA (βカリテン) |
マンゴーには、主にβカロテンとして含まれています。βカロテンは体内でビタミンAに変化し、その効能もビタミンAと変わりません。皮膚や粘膜を強化してくれ、肌荒れにも効果があり、これから紫外線が強くなる季節に、肌トラブルを改善する手助けをしてくれます。また、目の健康も保ちます。1日中パソコンなどに向かい目を酷使する方は、冬場はみかんでカロテンを取り、夏場はマンゴーで取ると言うのはいかがでしょうか?まだ青い内は、カロテンが少ないですが、熟した物にはより多く含まれます。 |
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ビタミンC | コラーゲンの生成に役立ちます。これからの紫外線が強くなる季節には、皮膚の保護に役立ちます。ビタミンAとともに抗酸化作用、メラニン色素の生成も抑えるので美肌効果があります。 |
ビタミンE | 活性酸素を撃退し、老化防止に役立ちます。 |
葉酸 | 造血作用があります。また血液中のホモステインと言う物質を、体に必要な必須アミノ酸のメチオニンに変え、動脈硬化を予防してくれます。 |
食物繊維 | マンゴー100g中1.3gも含まれています。マンゴーは、1個300g位(種、皮込み)ですので、1個食べると納豆1食分の食物繊維が自然にとれてしまいます。 |
カリウム | カリウムは体内の余分なナトリウムを排出し、高血圧を予防し、動脈硬化や心筋梗塞も予防してくれます。 |
消化酵素 | パパイヤと同じ消化酵素が含まれます。お肉と一緒に食べると脂肪やたんぱく質などを分解してくれるので、ダイエットに効果的です。胃にも負担をかけません。 |
どうでしょう? なんだか女性のための果物、と言ってもいいほど肌にいい栄養がたっぷり含まれていますね。
沢山買って食べきれないときは皮をむき、カットし冷凍しておくといいでしょう。
カットした冷凍マンゴーを使用した飲み物を紹介しましょう。
**マンゴーミルク**【材料】(1人分)
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【作り方】
① 材料をミキサーに入れて、混ぜ合わせる。
② グラスに注いだら、出来上がり!
お肉の消化を助けるマンゴーソースも紹介しますね。
**マンゴーソース**【材料】
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【作り方】
① 完熟マンゴーの皮をむきマッシャーなどでつぶす。
② 鍋に入れ火にかけ醤油、砂糖を入れる。
③ 最後にバルサミコ酢を入れかき混ぜ火から下ろす。
バルサミコ酢が苦手な人は オレンジジュースでも相性がいいです。
塩、こしょう、ニンニクでソテーした牛肉や豚肉にかけてみてください。美味しいですよ!
マンゴーソースが嫌いな方は、マンゴーを生のまま刻んで、お肉にのせても美味しいです☆
(管理栄養士 岩尾美智代、保健師 平山佑三子)
==みその巻==
調味料で朝一の体調管理!
最近では、原料の大豆もほとんど輸入に頼り、早く発酵させるため発酵補助剤などで短時間発酵させるなど、
大量生産で値段は安くなったものの、みそ本来の味が失われつつあります。「朝にみそ汁」の習慣が少なくなって
きたのも本当に美味しいみそを味わったことがないからでは?と思うことがあります。
自然発酵みその美味しさを皆さんにもぜひ味わっていただきたいです。ところで、どうして「朝はご飯に味噌汁」なんでしょう?
これから栄養学的に探ってみましょう・・・・。
≪味噌に含まれる成分と栄養価≫
タンパク質 | 大部分が畑のお肉と言われる大豆の良質なタンパク質です。また発酵させたことにより大豆には少なかった様々な必須アミノ酸が多く含まれます。特に米に不足している必須アミノ酸のリジンを多く含みます。ご飯とみそ汁の組み合わせは、質の良いタンパク質を効率よく体に取り入れるには理に適った組み合わせなんですね。 |
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大豆イソフラボン | 女性ホルモン(エストロゲン)に似た働きをすると言われ、骨粗鬆症や癌の予防、肌の保湿に効果が期待されています。 |
レシチン | 細胞や神経組織の構成に関係している成分で、神経伝達物質の合成にも欠かせない物質であり脳の活性化を促すことから集中力や記憶力を高めると言われています。また、血液中のコレステロールを調整し動脈硬化や脂肪肝などを防ぐ効果があると言われています。 |
大豆サポニン | 血液中のコレステロールを流してくれる役割があると言われ、動脈硬化や肥満の予防効果が期待されています。 |
食物繊維 | みそを濾して使用する場合は少なくなりますが、そのまま使用するときは多く含まれ、便通を良くします。大豆で食する時は消化が悪い食物繊維ですが、みその場合、発酵していることで消化吸収が良くなっています。 |
酵素・ビタミン類 | 整腸作用を促してくれる麹菌やその他の菌、皮膚や粘膜の健康維持を助けるビタミンB類、高血圧を予防するカリウム、骨や歯の形成に関与するマグネシウムなどが含まれます。 |
香り | 独特の香りは魚などの臭みを消し、食欲を増進してくれます。 |
保存性 | みそそのものが保存性が高い食品なので、肉や魚を味噌漬けにすること(脂の酸化を抑える働きがある)で食品の保存効果と、素材の持つアミノ酸の効果をより引き出してくれます。 |
いかがでしょう?様々な栄養素を持つ味噌。 朝、食べることで夜のうちに体内にたまった老廃物を解毒し、
脳の活性化を促します。更に、起きてない胃を味噌の消化酵素が助け、食べたものの吸収をよくします。夜汗などで
失われた後の程よい水分の補給効果もあります。また、ご飯と一緒に食べることで効果はいっそう優れたものになります。
朝のみそ汁の効果ってすごいですね。ただし、みそは塩分を多く含むので、高血圧を指摘されている方は薄味にし、
野菜の具を多めにするなど、汁を少なめにする工夫をして下さいね。150ccの出汁に約10gの味噌と書いてあるレシピが
多いと思いますが、8gか7gで十分。1日に1回、味噌を入れる前の出汁をしっかりとり、野菜や海草、キノコ類、芋などを
入れた具沢山のみそ汁を毎日食べることは生活習慣病予防とともに美容にも非常にいいというメリットの方が大きいかもしれません。
味噌を、程よくお料理に取りいれることが健康を保つ秘訣ですね。
**さんまの味噌巻き焼き**【材料】(4人分)
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【作り方】
① さんまは3枚おろしにする。
(魚屋さんでおろしてもらっても可)
② Aを鍋に入れひと煮立ちさせる。
③ 青じそは縦半分に切っておく。
④ ①の魚に②をたっぷりぬり、青じそを並べ、頭の方からくるくる巻き、つまようじで止める。
⑤ 180℃に温めたオーブンで10~15分焼く。
(管理栄養士 岩尾美智代、保健師 平山佑三子)
==緑竹の巻==
生で食して涼を味わう
まだまだ日本での生産量が少ないため高級品として扱われている「緑竹」。味だけでなく栄養価も優れているようです。
≪緑竹の栄養成分≫
グルタミン酸 | 旨みの素となるグルタミン酸を多く含みます。 グルタミン酸は脳に働きかけ、不足すると疲労がたまりやすくなると言われています。朝、緑竹のサラダやみそ汁を食べていくと仕事もはかどるかもしれません。 |
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食物繊維 | 食物繊維を多く含み、便秘の予防や解消、コレステロールなどの排泄を促してくれます。また、噛む回数が増えること、消化が悪いことで胃内での停滞時間が長く、少量でも満腹感が得られます。ただし、胃が弱い方は、おいしいからと言って一度に沢山食べることは控えてください。程よくお召し上がりくださいね。 |
カリウム | カリウムを多く含むため、体内のナトリウムを体外に排出し血圧を下げるなど高血圧の予防に役立ちます。夏バテとビタミンB1の不足の関係はよく知られていますが、筋肉の収縮を円滑にすると言われているカリウム不足も関係していることがあります。 夏場、汗とともに体外に排出されるカリウムを、歯触りがよく食欲をそそる緑竹で摂取すると言うのはいかがでしょうか? |
他の栄養素に関しては普通のタケノコと同じくらい含まれています。「タケノコの巻き」をご覧ください。
沢山の栄養素を含む緑竹ですが、カロテンが不足しているようです。またビタミンC、ビタミンB1、B2も含まれますが少量です。 これらを補うため、胡麻油などで豚肉、ピーマン、ブロッコリーなどとサッと炒め、軽くオイスターソースで味付けして食べると、カロテンの不足分を補い、安定した形で水溶性ビタミンを体に供給することができます。
一度に食べきれなかった緑竹は保存できる酢漬けにし、お弁当に入れてもいいのではないでしょうか?
**緑竹のラー油酢漬け**【材料】
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【作り方】
① 緑竹を好みの大きさのラン切りにする。
② ①を熱湯に入れサッと茹でる。
③ 調味料と胡麻を全て混ぜ合わせる。
④ ②をざるに揚げ、湯切りし、熱いまま③に入れ1時間ほど漬け込む。
⑤ 冷めたら冷蔵庫で保存し、必要分を取り出し、お肉料理の付け合わせやお弁当などに入れる。
(管理栄養士 岩尾美智代、保健師 平山佑三子)
==レモンの巻==
レモンで身体の内から外からリラクゼーション
レモンは、ジャンルを問わず、様々な料理やお菓子、飲み物、調味料として食卓に登場します。
さらに、食べるだけでなく、香りとしても非常に私たちをリラックスさせ元気づけてくれます。
そんなレモンの成分について少しお話しましよう。
《レモンの効能≫
ビタミンC | 「レモン○○個分のビタミンC」、と様々な食品に表示されるほどレモンには沢山のビタミンCが含まれています。ビタミンCは、コラーゲンの生成を促進し、抗酸化作用の働きもあり、美容を気にする女性には欠かすことにできない成分です。また鉄分を多く含む食品と食べ合わせると、腸管からの鉄の吸収を促します。焼き鳥のレバーにレモン汁をふっていただくと、レバーの豊富な鉄分の吸収を促進してくれる効果が期待できます。焼き肉に添えてあるレモンも無駄にしない方がいいかもしれません。加えて、白血球の働きを助けたり、抗ストレスホルモンのアドレナリンの生成を促し精神の状態をリラックスさせてくれます。新年度の始まるこの時期、ストレスから体を守るには欠かせない成分です。体調や気分すぐれないなと思ったら、レモンをかじるのもいいかもしれません。 |
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クエン酸 | 疲労回復に欠かせないクエン酸は、体の代謝を助ける働きをします。激しい運動の後、体内にたまった乳酸を素早く除去し、筋肉の疲労を回復するために、レモン水を飲んだりするのもこのためです。筋肉だけでなく肌の代謝も良くし、弱酸性に保ってくれます。お酢もクエン酸ですが、お料理には癖が少ないレモン汁の方がさっぱりと味わえることもあります。 |
ペクチン | かんきつ類の食物繊維は、主にペクチンとして含まれます。このペクチンは水溶性で、特に胃や腸で余分なものの吸収を抑える働きがあります。胆汁と結びついて脂肪を除去し、コレステロールを下げる働きもあります。 |
リモネン | 香りに含まれる成分です。消臭や脳をリラックスさせる効果があります。果汁を搾った後 皮をネットに入れ湯ぶねに浮かべ楽しむのもいいですね。 |
エリオシトリン | エリオシトリンはレモンポリフェノールとして、色素(特に皮に多く)に含まれています。抗酸化作用があり、老化防止に役立ちます。ビタミンCとのダブルでの抗酸化作用は美容に嬉しい効果ですね。 |
この他にもビタミンEや、皮には多くのカルシウムも含まれています。
丸ごと食べることにより、その効果はUP!間違いなしです。
レモンの効果をより多く得るため、皮ごと残さず食するメニューを紹介します。
**レモン水**【材料】(約1000cc分)
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【作り方】
① 水に砂糖、きゅうりの皮、レモンの皮を入れ、砂糖が溶けるまで煮立たせる。
② ①を自然にさます。
③ ②が冷えたらレモンのしぼり汁を加え、こし器などで濾す。
※輪切りレモンや氷を浮かべて、食卓にどうぞ!
**レモンのサイダー寒**【材料】(6人分)
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【作り方】
①鍋に水、寒天を入れ、火にかけ煮溶けたら、砂糖を加え、さらに煮溶かす。
②火からおろした①に、レモンの皮、レモン汁、白ワインを入れ、水を入れたボールに鍋を入れ、泡だて器で混ぜながら荒熱を取る。
③とろみがついてきたら素早くサイダーの栓を開け、②に入れながらかき混ぜる(炭酸が抜けないようにする。)
④ワイングラスなどの容器に③を流し、レモンの輪切りをのせ冷蔵庫で冷やし固める。
※お好みで、食べる直前にコーヒーシロップをかけて、召し上がれ♪
(管理栄養士 岩尾美智代、保健師 平山佑三子)